犬の妊娠期間は約2ヶ月です。 レアの出産予定日の3日ほど前の事です。わたしが産箱(その中で出産
させる為の箱です)を用意していますと、レアがイキナリ箱の中に飛び込んできました。 もちろん、わたし
が入るように指示したわけではありません。 その姿を見てレアのお産が近いことを感じました。 巣作りの
本能でしょうか。 その時から、レアはその産箱を中心に生活を始めました。 食事や運動時間以外は、自
分で箱の中に入ります。 2002年12月9日の深夜から陣痛が始まりました。 苦しいのでしょう。 うめき
声と共に周囲の壁を蹴ったり、体の向きを何度も変えます。 波のように一定間隔で苦しがり、そしてその
後は静かに眠ります。 でもお産は始まらないまま10日の朝を迎えました。 そしてその日は運動に外へ
出かけるのを嫌がりました。 日中は普通の状態で、フードも残さず食べていました。 

10日の夜8時頃から、また陣痛が始まりました。 苦しがる様子はドンドン激しくなっていきました。 もう生
まれるか?もう生まれるか?と期待するのですが、30分ほどで陣痛は収まってしまいます。 アルスも自
分のベッドには行かず、レアの産室の隣で目をランランさせながら、一声も発せずに座っていました。そん
な繰り返しが一晩中続き、夜も明け始めた4時半過ぎ、待ちに待った出産が始まりました。


仔犬を産み落とす時には、陣痛の時のような苦痛は訴えませんでした。 レアはスルリと滑るように出てき
た羊膜を丁寧に舐めながら開け、へその緒を噛み切ってわたしに渡してくれました。 乾いたタオルで体を
拭き、長すぎるへその緒は殺菌した手術糸で縛りなおして短くカットしました。 仔犬達は母親の元へ返さ
れると見えない目で必死に乳首を探し吸い付きます。 2002年12月11日の午後まで出産はかかりまし
た。 レアは牡2頭・牝4頭、合計6頭の仔犬達の母親になりました。